Repeat negative morning #5.1


 5人の夜が終わり、それぞれの朝が来る。#5の後に挿入されたラストチャプター。わかりやすくするために文字に起こしてみる。

 

 

夜が明けた。最悪の渋谷の狭い朝。何故かそれに少しだけ安心した。『B子』


だから


いつもの気怠い朝を。この朝で。怯えるのではなく眩しい光を見てみると、狂った世界は少しだけ面白くなるのかもしれない 『C子』


そして


情け無いけど、本当に情け無いけど、ささやかな孤独を隠してくれたこの空に胸が鳴った 『A子』


それは


ありがちで誰にも言えないくらい恥ずかしくて痛い考えかもしれないけど…自分自身なのだ、変わるのは。上手くいかないかもしれない。嫌な思いをするかもしれない。それでも、何者にもなれなかった私は私になれたのだ。大丈夫 『E子』


今の


9862回目の今日を忘れない きっと届くかもしれない。失敗なんかじゃない。叫びたい衝動を抑え走って、走って、走って 『D子』

 


普通の贅沢を手に入れてみよう。死ぬより難しいかもしれないけど河原に行ってみよう

夜に足元を掬われ、牛乳ヒゲをつけた私はそんな朝に救われました 『A子』

 

 


 それぞれの言葉はその人だけのものではない。誰が言ったとしても、誰にでも当てはまり、朝が来るということはそういうことなのだ。


 これは6話の完結の話ではない。それぞれの話にコンマ1がついた始まりの話だと思う。生きていく上で、どの子の話も自分の身に起こり得る話だ。そんな最悪な時でも必ず朝が来てまた0.1からカウントが刻まれ始める。

 そうやって最悪の夜を乗り越えたり、怯えから逃れたり、ささやかな孤独から救われたり、希望に向かい走り出したり、自分を認め何者かになれたり。何かを思い今日も起きる。それが長い人生なのだと思う。

 誰にでも一度はあるであろう消えたくなるような夜に、中指を立て笑って歩き出せるような素敵な映像と音楽だった。そして素敵な朝だった。

 


 夜に足元を掬われ、朝に救われる物語。何度も涙しながら観続けたけど、最後に流れた涙は朝露のように清々しい気持ちにさせてくれた。 了